Deadline 5.2
Deadline 5.2.47700 リリースノート
概要
この最新のDeadlineのリリースでは、再起動されるまで、スレイブが新規のレンダリング・プロセスの起動を妨げていた不具合の修正を含む、Linuxにおいてのスレイブの安定性を向上させました。多くのレンダリング・アプリケーションの新規バージョンもサポートしており、”Anime Studio”用の新しいプラグインも追加されました。結果として、いくつかの新機能が追加され、様々な不具合が修正されました。
最新の5.2ライセンスでは、このバージョンで起動する必要があり、Deadline 5.1で追加された最新のthinkboxライセンス・サーバーを、Deadline 5.2は使用します。
機能紹介
Linuxでのスレイブの安定性の向上
スレイブでのメモリー・リークが修正されました。これにより、再起動するまでスレイブが新規のレンダリング・プロセスを開始することが出来ませんでした。さらに、Deadlineは外部出力プロセスの数を軽減する、より多くのシステム・ライブラリを使用し、ほとんどゼロでスレイブが起動します。アプリケーションが32ビット版又は64ビット版を判断し、レンダリング・プロセスの類似点を操作するためなどに、システム・ライブラリが使用されます。データを収集するためにDeadlineが、外部プロセスを使用するいくつかのケースで、スレイブが起動時に1度だけ実行されます。
レンダー・プロセス環境変数
PreLoad.pyで、プラグイン・スクリプトがレンダリング前のプロセス用に使用することが可能となり、レンダリングのプロセスにのみ使用する環境変数の設定が可能となります。このスクリプトが、ジョブ・プロパティにアクセスし、それらに基づいた環境変数を設定し、(ユーザー任意のジョブ、プロジェクトなどの)任意数に基づいてカスタマイズできる環境が整いました。スレイブとマシーンの環境は変更されないまま、起動した次のレンダリング・プロセスは、再び新たな環境になります。このためにPreLoad.pyで使用可能な新しい関数は、SetProcessEnvironmentVariable()です。詳細については、Deadlineのドキュメントのプラグインスクリプトのセクションをご参照ください。
追加として、Deadlineは、レンダリングのプロセスに、自動的に独自の2つの環境変数を書き出します。その変数とは、”DEADLINE_BIN”:レンダリング・プロセスの実行可能なパス、”DEADLINE_USER”:ジョブ・ユーザーです。前者はLinuxとMac OSX上で、スレイブが起動しているアカウントより、ジョブ・ユーザー・アカウントを使用し、レンダリング・プロセスを起動するために、シェル・スクリプトを使用することが可能です。詳細については、Deadlineのドキュメントの最新のRender Jobs As Job’s User(ジョブ・ユーザーのレンダー・ジョブ)の項目をご参照ください。
Maya用のArnold出力ジョブ・タイプ
Maya上で、Mayaシーン・ファイルから.assファイルを書き出すジョブを投入することが可能です。追加として、.assファイルが書き出された後、レンダリングを行なう従属のArnoldスタンドアローン・ジョブを設定することが可能です。
3ds Max 2013(3ds Max 2013アップデート2が必須)、After Effects CS6、Anime Studio、Arnold for Maya、Composite 2013、Houdini 12、Maya 2013、modo 6xx (最新レンダー・パス機能のサポートを追加)、Softimage 2013などが追加でサポートされています。
一般的な改善点
- LinuxとOSXのインストール・ビン・フォルダからMono.Posix.dllとMono.Security.dllを削除します。これらのオペレーティング・システム上では、不要なファイルであり、潜在的に既存のMonoインストレーションと問題を引き起こす可能性があります。
- Deadlineにより、Certificate validation(証明書有効性確認)のエラーが無視されます。それによって、DeadlineがSSLを要求するメール・サーバーの使用が容易になります。
- 従属ジョブ制御が、1つまたは複数でその依存関係がアーカイブされた場合、適切にリリースを行ないます。
- Linux上での”readelf”プロセスは、実行可能なビット数を取得するため、もはや使用されません。
Monitorの改善点
- スクリプトとプラグインの”Reload(再読み込み)”アイコンを使用した後で、新規のスレイブ・スクリプトが表示されます。
- 起動時に起こったNullReferenceException(null オブジェクト参照を逆参照しようとした場合にスローされる例外)を修正しました。
- Job Properties Machine Limit(ジョブ・プロパティ・マシン・リミット)タブのWhitelist/Blacklistオプションのツール・ティップの表記ミスを修正しました。
- ユーザー設定でのパスワード・オプションが暗号化されました。
- 若干の表記ミスの修正
Slaveの改善点
- Linux上で、スレイブのメモリー・リークにより、再起動するまでスレイブが新規のレンダリング・プロセスを開始することが出来ない問題を修正しました。
- Windows上のスレイブが、OSX Lion上のRepositoryのキュー(queued)・タスクを探すことを妨げていた不具合の修正がされました。
- Slaveのコントロール・メニュー上のOn Last Task Completeオプションが、適切に再度起動するようになりました。
- post-jobスクリプトが、最初の起動時中に不履行になる不具合を修正しました。
- ジョブがpost-jobを有する場合、EndJobの段階で起こるエラーの不具合を修正しました。
- スレイブが、DEADLINE_USERとDEADLINE_BINの環境変数をレンダリング・プロセスに書き出します。それらは、それぞれジョブ・ユーザーとプロセス実行可能パスを含んでいます。
Commandの改善点
- Python.NETイベント・プラグインが、Deadlineコマンドを通じて投入された場合に、適切に起動します。
Scriptingの改善点
- 現時点のタスクIDを取得するプラグインAPIに、GetCurrentTaskID()関数が追加されました。
- レンダリング・プロセスにだけ転送される環境変数を設定するプラグインAPI関数が追加されました。スレイブの環境は変更されません。
- これらの関数は、SetProcessEnvironmentVariable(string key,string value)、 GetProcessEnvironmentVariable( string key ), ClearProcessEnvironmentVariables()です。
イベント プラグインの改善点
Shotgunの改善点
- Updated the Shotgun APIが、3.0.9beta2に更新されました。
- 関連性のないジョブが実行された場合に、Shotgunイベント・プラグインが出力/エラーのメッセージを表示しなくなりました。
- Shotgunイベント・プラグインの文字変更の不具合が修正されました。
Draftの改善点
- 関連性のないジョブが実行された場合に、Draftイベント・プラグインが出力/エラーのメッセージを表示しなくなりました。
- Draftジョブが、ウィンドウズの32ビット・マシーン上での作業を妨げていた不具合を修正。
プラグインの改善点
3ds Maxでの改善点
- 3ds Max 2013のサポートを追加。適切にレンダリング作業を行なうため、3ds Max 2013アップデート2をインストールしている必要がありますので、ご注意ください。
- MaxDataフォルダが初期設定値から変更されても、レンダリングが行なわれます。
- パス上に、レンダリング・ファイルが非アスキー文字を含む場合のUTF8エラーが修正されました。
- シーンを保存し、ジョブとして転送しないためのオプションがSMTDに追加されました。
- 投入する前にレンダー要素を再構築するためのオプションをSMTDに追加したことで、潜在的な問題を修正するのに役立ちます。Renderタブ下のPathingロールアウトにあります。
- SMTD上で、1つのCPUに対する1つのタスクのオプションが、今後、自動的にジョブ名設定で更新を重複させません。
- 現行のタスクIDを取得するため、CurrentTaskプロパティをMaxscriptのインターフェイスのDeadlineUtilに追加しました。
After Effectsでの改善点
- After Effects CS6のサポートを追加
- モニターから投入された場合、複数のマシーンでのレンダリング作業が行なえます。
Anime Studioでの改善点
- Anime Studioのサポートを追加
Cinema 4Dでの改善点
- 64ビットのウィンドウズの実行ファイルはCinema 4D 12 と13用の初期設定パスを含んでいます。
- Cinema 4Dが “プロジェクトが見つかりません”と表示した場合に、エラーを発生させるようになりました。
Compositeでの改善点
- Composite 2013のサポートを追加
Draftでの改善点
- Shotgun内から出力されたDraftジョブを投入した場合における若干の不具合を修正。
Houdiniでの改善点
- Houdini 12のサポートを追加
- 統合されたsubmitterにより、適切にIFDのエキスポート・オプション用の初期値の設定が可能になりました。
Lightwaveでの改善点
- Lightwaveレンダーのプログレス・レポートが改良されました。非Screamernetジョブのみに対応しており、その理由としてScreamernetジョブは、stdoutに進捗状況を報告しないからです。
- OSXで、32/64ビット・レンダリングを強制的に実行した場合、’arch’ コマンドが、対応するモードで、Lightwaveを起動するために使用します。
Mayaでの改善点
- Maya 2013のサポートを追加
- Arnold for Mayaのサポートを追加
- .assファイルにシーンを書き出すことが可能なArnold Export jobタイプを追加しました。そうすることで、Arnold スタンドアローン・ジョブにレンダリングを実行させます。
- 出力ファイルを作成することが不可能な場合、mental ray エラーを検出するためのstdoutハンドラーを追加しました。
- Deadlineに送信された出力ファイル名から、”(マルチ・チャンネル)”の接尾辞が取り除かれました。
- Monitor submitterから複数のシーンが投入された場合、シーン名がジョブ名に追加されます。
modoでの改善点
- modo 6xxのサポートを追加
- modo 6xxの最新レンダー・パス機能のサポートを追加。
Nukeでの改善点
- read inを有効化しないwriteノードが少なくとも1つは存在するかをNuke submitterが確認します。
- 問題の有ったShotgunの設定が適切に保存されます。
Quicktimeでの改善点
- “fusion”の代わりに、初期poolが”none”になりました。
Rhinoでの改善点
- VRayがレンダラーとして設定された場合、Deadlineにより、Rhinoのシーン・ファイルでバッチ・レンダー・オプションが確実に有効になるスクリプトをRhinoで起動します。
Ribでの改善点
- (ジョブの)投入中に、ディスプレイ・ライン用に、Monitor submitterがモニターribファイルを解析し、Deadlineが出力パスを確認します。
- DraftサポートをMonitor submitterに追加します。(submitterが、ribファイルからの絶対ディスプレイ・パスの解析が可能であることを想定)
Softimageでの改善点
- Softimage 2013のサポートを追加。
VRay Standaloneでの改善点
- VRayへ転送する追加のコマンド・ラインの引数を設定するため、submitterのオプションを追加。
Vueでの改善点
- ファイルの書き込みエラーを検出するためのstdoutハンドラーを追加。