Deadline 6.2.1.50
2014年11月3日(月) リリース
概要
Deadline 6は、高度にスケーラブルな新しいデータベースバックエンドとともに、全プラットフォームでも非常に柔軟性で能率的なユーザインターフェースを導入しました。新しいユーザーグループ管理システムによって、異なる権限を割り当てられたグループごとにユーザーを分けることができます。遠隔マシンからレンダリングログを入出力できるようになることで、ファーム管理が容易になりました。
Deadline 6.1は、この土台の上に新機能やパフォーマンス向上および不具合の修正を豊富に施し構築されました。Deadline Monitorの新しいノードベースのJob Dependency Viewを使用することで、ジョブの依存関係を表示したり変更したりできます。アセットの依存関係(テクスチャやキャッシュファイルなど)またはPythonスクリプトを設定すると、すべてのアセットが利用可能になり、Pythonスクリプトが正常に完了しなければ、ジョブは開始されません。Deadlineのジョブスケジューリングをカスタマイズすることにより、First-in-First-out、BalancedあるいはWeightedシステムを使うことができます。Pulseの新しいRESTful APIに直接接続するか、新しいスタンドアロンのPython APIラッパースクリプトを経由することで、Deadlineからジョブとslaveのデータを収集したり、そのデータに変更を加えたりすることができます。
Deadliine 6.2では、Autodesk 2015製品(3ds Max、Maya、Softimage、Composite)、Anime Studio 10、Clarisse iFX、DJV Imaging、modo 8xxおよびmodo Distributed Rendering、SketchUp 3D、そしてVRayのply2meshツールに対するサポートを追加しました。その他追加機能には、Houdini向けの新しい統合サブミッタや、Maya、Softimage、そしてMaya Extensions全バージョンに対応する高速GPUレンダラーRedshiftへのサポートが含まれます。
Deadline 6.2.1は、レンダリングキュー管理システムの最新バージョンであり、複数の機能拡張、不具合の修正、新アプリケーションのサポートが含まれています。After Effects CC 2014、Cinema 4D 16、Fusion 7、Nuke 9、そしてRealFlow 2014に対するサポートを追加しました。
このバージョンを起動するには6.2のライセンスが必要となります。もしもDeadline 6.1またはそれ以前のライセンスをお持ちの場合、Deadlineのライセンスを更新する必要があります。また、Deadline 6.2にはDraft 1.1が付属しますので、Deadline 6.0またはそれ以前のバージョンからアップグレードする場合は、Draftのライセンスも更新する必要があります。
Deadline 6.2.1に含まれる主要な新機能:
新しいアプリケーションに対応
After Effects CC 2014、Cinema 4D 16、Fusion 7、Nuke 9、そしてRealFlow 2014へのサポートが追加されました。
一般的な改善
- シーケンシャルジョブは、優先順位の高いジョブによって削除されなくなりました。Slaveが一度シーケンシャルジョブを拾ったら、ジョブが完了するまで、もしくはレンダリングがキャンセルされるまでレンダリングを続けます。
- Slaveがバランスを保つためにジョブの間を往来するのを防ぐため、平衡または加重アルゴリズムに適用可能なジョブタスクのバッファ値を追加。
- 中断可能なジョブが、同等の優先度を持つ他のジョブによって中断される原因となる不具合を修正。
- ジョブのpre-jobスクリプトが完了する前に通常のタスクがデキュー(データの取り出し)される不具合を修正。
- 一部の場合においてジョブタスク更新方法のパフォーマンスを向上。
- タスクの完了としてマークするための新しいOnTaskTimeoutオプションを追加。
- ジョブの開始段階にオプショナル・タイムアウトオプションを追加。
- すべてのハウスクリーニング操作は、各ハウスクリーニングの合間に実行されるようになりました。
- ハウスクリーニングおよび待機中のジョブに対するスキャン操作が別の処理として実行される場合に、別のログファイルへ書き出すためのハウスクリーニングオプションを追加。
- 予期しないmongodbの例外にstacktraceおよび例外タイプを追加しました。
Launcherの改善
- 今回のバージョンより、Launcerは起動後、ストール(機能停止)状態のSlaveを再起動するかどうかを確認し始める前に5分待ちます。これにより、Launcherが起動時にSlaveを立ち上げるよう設定されている場合やSlaveが前回ストール状態にあった場合、Slaveはそれらの後にクリーンアップする機会が与えられます。そうしなければ、LauncherはSlaveを数回立ち上げようとしてしまいます。
- Linux:Deadlineのinit.dスクリプトは、今回のバージョンより再起動/シャットダウン中にSlaveとLauncherをシャットダウンします。これにより、Slaveがライセンス返却手続きを確実に行なえます。
- Linux:Deadlineのinit.dスクリプト内のその他、いくつかの問題を修正。
- Windowsサービスとして実行している場合、今回よりLauncherはマシンのシャットダウン時にSlaveを適切に閉じます。
Monitorの改善
- Slaveのピングを有効にするMonitorオプションを追加(デフォルトでは無効)。
- Repository Optionsの加重ジョブ設定に小数点第4位まで追加。
- Monitorからジョブを削除すると、Repositoryの履歴に記録されるようになりました。
Slaveの改善
- 一台のマシンで同じ名前のSlaveを複数立ち上げる原因となりそうなLinuxおよびMac OSXのスタートアップの不具合を修正。
- 今回のバージョンより、ジョブの検出時にQueuedChunkのカウントが0より小さいか等しい場合はそのジョブから取り除かれません。これにより、ジョブの状態がばらばらになっていても、キューを実行したタスクはそのジョブに対してそのままデキューを確実に実行します。
- Slaveが制限オブジェクトをデータベースから毎秒再読み込みする原因となっていた不具合を修正。Slaveがそのジョブのオブジェクトを再読み込みした場合のみ実行されるようになりました(即ち約2分ごと)。
- レンダリングするジョブの検索中に、Slaveが制限グループを処理する間の速度の向上とデータベース読み込み時間の削減。
- プラグインがファイルの同期に失敗した時に、Job Failure Detection設定の適用を妨げていた不具合を修正。
コマンドの改善
- 実行モードを選択するためにDoHouseCleaning用のコマンドラインオプションを追加。
スクリプトの改善
- モジュールのインポートエラーが、実際のPythonエラーを表示するのを妨げていた不具合を修正。
- Monitor以外のスクリプトでJobUtils.CalculateJobStatistics()が動作するのを妨げていた不具合を修正。
アプリケーションプラグインの改善
3ds Maxに対する改善
- サービスとしてレンダリングする際に、3ds Max 2015がクラッシュするのを防ぐための回避策を追加。
- Deadline 7からいくつかのRTTとその他の修正をバックポート(旧バージョンとの互換性の確保のため)。
- SMTD – [REMAINING]フレームジョブに対して親子の依存関係を有効/無効にするため、[PREVIEW]ジョブ機能を追加。
- SMTDにいくつかの新しいサニティーチェックを追加。
After Effectsに対する改善
- After Effects CC 2014への対応を追加。
Arnold Standaloneに対する改善
- レンダリングを高速化するため、レンダリングの引数に-dpフラグを追加。
Cinema 4Dに対する改善
- Cinema 4D 16への対応を追加。
- 統合サブミッタから投入する際にすべてのマルチパスが含まれるようになりました。これにより、Monitorからこれらの出力ファイルを開くことができます。
- 出力名の付け方がピリオド(.)から始まらない場合において、統合サブミッタが出力ファイル名を取得する方法に関する不具合を修正。
Draftに対する改善
- DraftのタイルアセンブラーにPath Mappingのサポートを追加。
- いくつかの不具合を修正し、Draft Tile Assemblyジョブに対してより多くのログを追加。
Fusionに対する改善
- Fusion 7への対応を追加。
- Fusionプラグインアイコンを更新。
Houdiniに対する改善
- Houdiniサブミッタで出力ファイルをチェックしている間の良くないロジックを修正。
- Houdiniの統合サブミッタでSutmitSuspendedプロパティを読み込む際のエラーを修正。
- 統合サブミッタには、ジョブ名と一緒に現在のROP名が含まれるようになりました。
- Arnold for Houdiniのサポートを向上。
Mantra Standaloneに対する改善
- 「mantra: Bad Alembic Archive」エラーメッセージがレンダリング中に検出されるようになりました。
Mayaに対する改善
- Arnold for Mayaのverbosityフラグの不具合を修正。
- VRayのタイルレンダリングを使用した場合のいくつかの不具合を修正。
- それぞれのカメラを別のジョブとして投入した場合にDraft Tile Assemblerが動作するようになりました。
- Draft Tile Assemblerを使用する際に、VRayのレンダリング要素が対応するようになりました。
- タイルレンダリングがArnold AOVに対応しました。
- OSXでのMaya標準実行可能パスを修正。
- Arnoldのdeepexrファイルと正しく動作するように、Mayaの統合サブミッタを更新。
- Vray 2とVray 3のバージョン違いによって生じた、Mayaの統合サブミッタのいくつかのV-Ray関連の不具合を修正。
Mental Ray Standaloneに対する改善
- exit code 1をエラーあるいは正常として処理するためのプラグイン設定オプションを追加。
modoに対する改善
- modo 801での動作を阻害していた、modoに統合されたサブミッタの不具合を修正。
Nukeに対する改善
- Nuke 9への対応を追加。
- Nukeサブミッタに新しいRender in Proxy Modeオプションを追加。
- PrepForOFXがNuke.dlinitファイルに定義されていない場合に発生する可能性があるエラーを修正。
- Nukeの統合サブミッタに、すべてのViewに対する出力パスが含まれるようになりました。これにより、Monitorから確認することが可能になります。
- Viewが付いていないジョブを投入しようとすると、Nukeの統合サブミッタに警告が表示されるようになりました。
- いくつかの起こりうる不安定要因に対処するため、統合サブミッタによって作成されたKnobに付ける名前を更新。
- セカンダリpool設定が統合サブミッタに定着しました。
- deadlinecommandを起動する前に、Nukeサブミッタで環境を設定するときに生じる可能性がある不具合を修正。
- Writeノード名がある場合、バッチノードで正しくフレームカウントを処理するようにNukeプラグインを更新。
Pythonに対する改善
- スクリプトパスに対するパスセパレータは、Path Mappingが行われた後にOSごとに設定されるようになりました。
RealFlowに対する改善
- RealFlow 2014への対応を追加。
- Hybridoシミュレーションの進捗報告を向上。
Vray DBRに対する改善
- 3ds Max Designに対する標準のVray spawnerパスが含まれるようになりました。
- Maya 2015に対するVray spawnerパスの入力ミスを修正。