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Deadline 7.1.0.35の新機能

2015年5月5日(火)リリース

概要

Deadline 7.1は、Thinkbox Software社のスケーラブルなハイボリューム演算管理ソリューションの最新バージョンです。ビルトインクラウドのサポートや最新の3Dアニメーションツールとの一体化に加え、Deadline 7.1は、Autodesk社の AutoCAD、VREDおよびVREDCluster; CSI社のCSiBridge、ETABS、SAFEおよびSAP2000; EnergyPlus; そしてBentley Systems社の MicroStationといった高度な建築、エンジニアリング、建設(AEC)アプリケーションにも対応するようになりました。

Deadline 7.1は、先般導入されたビルトインVMXサポート上に構築し、VFXおよびAECの双方のユーザーがオンデマンド演算を行うためにパブリックおよびプライベートクラウドのリソースを活用することができます。さらに、Slaveメトリクスおよび統計の更新、balanced/weightedジョブスケジューリングに対する強化、フォント同期の拡張などが含まれています。また、QuickTimes、サムネイル、および他の成果物の作成と処理のような、典型的なポストレンダリングタスクを自動化するために設計された軽量型コンポジットおよびビデオ処理プラグインDraftの更新バージョンが、Deadline 7.1に新しく追加されました。

この新しいバージョンを利用するには、新しい7.1ライセンスが必要となりますので、予めご了承下さい。Deadline 7.0以前のライセンスをお持ちの場合は、ライセンスの更新が必要となります。さらに、Deadline 7.1に同梱されているバージョンのDraftに対しては、新しい1.3ライセンスが必要です。Draft 1.2以前のライセンスをお持ちの場合は、ライセンスの更新が必要となります。ライセンスファイルの更新が必要な場合は、こちらまでご連絡ください。

 

主要な機能

以下は、Deadline 7.1における主要な機能です。リリースノートの完全版を確認するには、Deadline 7.1 User Manual(英語)をご確認ください。

改善されたBalanced/Weightedジョブスケジューリング用のロジック:

Job Scheduling 設定内のbalancedおよびweightedスケジューリングオプションに、実験的なEnhanced Balancing Logicオプションが追加されました。このオプションが有効のとき、Slavesはデータベース内の新しいSlaveJobStateコレクションを使用してファーム内のレンダリングジョブ全てをより正確なスナップショットにし、どのジョブをレンダリングすべきかに関して、この情報を使用してよりよい判断を行います。

テスト段階では、このオプションが有効であるとき、ジョブ間におけるSlavesの適切な分配はさらに首尾一貫し、Slavesは同様の優先順位のジョブにおいてジャンプしなくなりました。その結果は、さらに予想できる挙動となり、スタートアップに処理が重くなるジョブにおいて切換のオーバーヘッドによる無駄な時間が減少しました。

新しいSlaveメトリクス:

Slavesは、Network I/O、Disk I/O、Swap使用量を報告するようになったため、Monitorから確認できるようになりました。この情報は、Slaves用に集められる統計にも保存されます。

さらに、レンダリング用のSwap使用量は、完了時にジョブのタスクおよび統計内部に保存されます。

改善されたSlave統計リポート:

Slave Resource Usage FarmリポートはSlaves Overviewファームリポートという名称になり、各段階(例: ジョブの開始、レンダリング、アイドリング、オフライン、停止、無効化)において、どのくらいの数のslavesが存在するかを含む新しい統計を表示します。また、新しいAvailable/Active Slavesチャートも、使用できる、且つアクティブなSlavesの数を表示します。そして、新しいPlugin Usageチャートが、レンダリングプラグイン全体の使用量を表示します。

Slaves OverおよびActive Slaves Statsレポートの両方とも、与えられた領域に対して表示することができます。これにより、特定のCloud領域内でも、あるいはオフィス内の特定の領域内(例、レンダーノード対ワークステーション)でも、slavesに対する統計を確認することができます。slavesがどの領域に属するかをSlave Settings内で設定する必要がありますので、ご注意下さい。

改善されたMonitor内のグラフ:

Monitor内のLineおよびBarグラフがパーンおよびズームに対応可能になり、ズームレベルをリセットするための右クリックオプションが追加されました。さらに、一部のLineグラフにおける個別の列が、右クリックメニューで表示/非表示できるようになりました。そして、これらのグラフの軸を、読みやすくするために、整数および日時の値を適切に表示できるように更新しました。

拡張されたフォント同期:

Deadlineに同梱されている新しいFontSyncイベントプラグインは、Slaveアプリケーションがジョブをレンダリングする前に、あるいはSlaveが最初に起動するときに、Mac OS XとWindows上でフォントを同期するために使うことができます。一般的なこのFontSyncイベントプラグインは、After Effectsプラグインのフォント同期オプションに替わるもので、現在ではDeadlineにおける全てのプラグインタイプに対して動作するようになりました。

改善されたJob Batch Display:

Deadline 7は、Batch Nameプロパティを設定することによってMonitor内でジョブをグループ化する機能を導入しました。これにより、複数の関連ジョブを同時に投入した場合に、全てのDeadlineサブミッタが自動的にBatch Nameを設定するようになります。例えば、Mayaで別々のジョブとしてそれぞれレンダーレイヤーを投入するとき、それらは全て同じバッチの一部になります。他の事例では、依存型のアセンブリージョブとしてJigsawレンダーを投入する場合です。

さらに、Monitor 内のジョブリストの中のBatch Rowに、バッチ内のジョブに対する設定に依存している、全ての行についての情報が表示されるようになりました。優先順位やマシン制限などの数値設定に関しては、そのジョブに対する最大値が表示されます。プールやグループなどの設定に関しては、全てのジョブが同じ値を持っている場合に値が表示されます。同じ値を持っていない場合は、代わりに<batch>と表示されます。その他全ての行に関しては、<batch>とだけ表示されます。

最終的に、ジョブパネル内のジョブリストより大きい数は、リスト内のバッチの数を表示するようになり、選択された数は選択されたバッチを無視するようになったので、選択されたジョブの数を適切に表示します。

保護されたジョブ:

ジョブに「Protected(保護された)」プロパティが追加され、そのジョブのユーザー、スーパーユーザー、または保護されたジョブを扱う許可を得た ユーザーグループに所属するユーザーに対して、ジョブ削除の権限を有効化できるようになりました。そのジョブは、Deadlineの自動ハウスクリーニングからも保護されます。例えば、ジョブがテスト用またはベンチマーク用として傍に保持しておく必要がある場合に役立ちます。

柔軟な画像ビューア環境設定:

これまでMonitorには、Taskリストから画像を見る時に使うビューアを最大3つまで指定できるオプションがありました。現在は、画像を確認するときにビューアへ送られる、オプションのコマンドラインアーギュメントを設定することができます。また、確認する画像に関する情報と自動的に置換される特別なタグもあります。

以下のタグは、コマンドラインオプションでサポートされています。

– {FRAME}: This represents the task’s frame file. For example: /path/to/image0002.png
– {SEQ#}: This represents the task’s frame sequence files, using ‘#’ as the padding. For example: /path/to/image####.png
– {SEQ?}: This represents the task’s frame sequence files, using ‘?’ as the padding. For example: /path/to/image????.png
– {SEQ@}: This represents the task’s frame sequence files, using ‘@’ as the padding. For example: /path/to/image@@@@.png
– {SEQ%}: This represents the task’s frame sequence files, using ‘%d’ as the padding. For example: /path/to/image%04d.png

アーギュメントのデフォルトは“{FRAME}”で、Deadlineの前回バージョンのデフォルトの挙動を保持します。

さらに、ビューアに適切な名前を付け、対応するメニューアイテム内に表示させることができるようになりました。そして、チャンクされたタスク(1フレーム以上で構成されるタスク)に対応するために、ビューアを設定することができます。

スタンドアロンのWeb Serviceアプリケーション:

deadlineWebService.exe.と呼ばれるスタンドアロンのWeb ServiceアプリケーションがDeadlineに同梱されるようになりました。Deadline Pulse 内に構築されたWeb Service機能と全く同じように動作し、どちらもRepository Optionsの中の新しいWeb Serviceページを使って設定することができます。

Mac OS X上におけるDaemonとしてのInstall Launcher:

Deadline Clientインストーラーは、Mac OS X上にDaemonとしてLauncherをインストールするためのオプションを追加しました。この機能は、ルートとして、あるいは他のユーザーアカウントとしてLauncherデーモンを起動させることができます。

改善されたSubmission Script Installers:

投入スクリプトインストーラーは、何のDEADLINE_PATH(Deadline Clientのbinフォルダがどこに位置するかを決定するために投入スクリプトによって使用される)が設定されるかを表示するようになりました。もし正しくない場合はこれを変更する、または存在しない場合はそのように設定するオプションもあります。ご使用のシステム上に様々なバージョンのDeadlineを複数存在させる場合に役立ちます。

この改善に対する副次効果として、Deadline Clientの再インストール、あるいはご使用のシステムの環境を手動で変更することなく、DEADLINE_PATHを更新することができます。これを実行するには、あらゆる投入スクリプトインストーラーを起動し、DEADLINE_PATH値を変更し、Componentsリストにリスト化されている全てのオプションのチェックを外すだけです。すると、投入スクリプトファイルをインストールしなくても、インストーラーがDEADLINE_PATHを更新します。

Draftがバージョン1.3.2.58232に更新:

このバージョンのDraftには、新しいDraft 1.3ライセンスが必要で、以下の更新が含まれています。

Draftの新バージョン(v1.3)には、ACES 1.0 LUTsのほか、EXRデータおよび表示ウィンドウへのサポートの追加が含まれています。また、TileおよびJigsawレンダリング用に大きな画像を アセンブルする際のメモリ使用量とパフォーマンスを最適化しました。

EXR Images:

– EXRデータおよび表示ウィンドウに対するサポートを追加(以前は、データウィンドウは表示ウィンドウと同じサイズに設定されていました)。

– OpenEXR 2.2.0に更新。

LUTをサポート:

  • ACES 1.0 LUTsを付属のocio-configsフォルダに追加。
  • Draft ASCCDL Readerの堅牢性を改善。リーダーは、異なる構文を入力ファイル内で扱うことができるようになりました。

VideoEncoder:

  • VideoEncoderの画像をエンコードする際のバグを修正。VideoEncoderは、画像に対するスケーリングの一部に適用されていました。
  • 特定のサイズ(例: 640 x 480)でのエンコードがメモリーエラークラッシュの原因になっていたMac OS X上のバグを修正。

Draft Tile Assembler:

  • TileAssemblerと呼ばれる、Pythonにおける新しいクラスを公開することによって大きな画像をアセンブルするためのサポートを追加。大部分のアセンブリージョブのロジックは、現在内部的に取り扱うことができます。

新しいアプリケーションへのサポート:

AutoCAD、CSiBridge、CSiETABS、CSiSAFE、CSiSAP2000、EnergyPlus、MicroStation、VREDおよびVREDClusterを含む様々なAEC(建築、エンジニアリング、建設)およびプロダクト ビジュアライゼーション製品に対するサポートが追加されました。

また、3ds Max 2016、Anime Studio 11、Composite 2016、Corona分散レンダリング、Maya 2016、Media Encoder、Houdini 14、LuxSlave分散レンダリング、Natron、Nuke Studio Frame Server分散レンダリング、Renderman RIS for Maya、VRay for modo、およびVue 2015へのサポートも追加しました。