Thinkbox Software 製品
ブログ

Krakatoa MX 2 リリースノート

<< Krakatoa MXの更新リストはこちら
 

Krakatoa MX 2 の新機能

ここでは、Krakatoa MX 2のリリースにおいて強化された機能および新機能についてご紹介致します。
>> Krakatoa MX 2 へのアップグレードについてはこちら

概要

Krakatoa MX 2は、バージョン1.0.x、1.1.x、1.5.x、1.6.xに続く、3ds Max用Krakatoaボリューメトリックパーティクルのレンダリング、操作および管理ツールキットの5回目のメジャーリリースです。

下記は、このリリースにおける主な新機能および改善点です。

  • レンダラーのray-march(レイマッチング)を使用してKrakatoaパーティクルをレンダリングする、Krakatoa Atmospheric (環境)効果。
  • パフォーマンスの改善: マルチスレッド方式のパーティクルの読み込みや、スピードアップしたソート機能と400億個ものパーティクルで試して最適化されたAdditive(加算)レンダリングなど。
  • ライティングとレンダリングの改善強化されたバイリニア・フィルタリングマットオブジェクトのレイトレース反射への対応環境マップを背景として使用反射マップの強度コントロール、ボクセルモードのレンダリング要素、など。
  • スプラインや、3ds Max Hair & Fur、HairFarmを使用したヘア レンダリングをサポート。
  • Chaos Groups社のPhoenix FD流体ダイナミクス シミュレータより生成されたパーティクルをサポート。
  • 3Dフラクタルデザインを備えた、PRT Makerのプロシージャルのパーティクルジェネレータ。
    >> PRT Maker の紹介ビデオはこちら(対訳付き)
  • パーティクル群の階層状の乗算を可能にするPRT Clonerモディファイヤ
  • Magma 2チャンネル編集サブシステム。ゼロから書き直され、より速く、より強力に、より使い易くなりました。
    >> Magma 2 使用例はこちら
  • 新たなパーティクル保存方法 – PRTオブジェクトからPRTファイルを保存する際のMAXScriptインタフェース。

他にも多くの機能が更新され強化されました。

> ページトップへ戻る

 

Krakatoa Atmospheric(環境)効果

Krakatoa Atmospheric(環境)効果には、3ds Max環境サブシステムを使用するray-marcherが導入されています。これは3ds Maxの標準環境効果に対応する各種レンダラーでレンダリングすることができます。例えばスキャンライン、V-Ray、finalRender、Brazil r/s等が含まれます。(mental rayは別のボリューメトリック シェーダーの開発が必要となるため、Krakatoa Atmospheric効果をレンダリングすることはできません。)

これはKrakatoaのボクセル(Voxel)モードに非常に類似したレンダリング出力を生成しますが、ジオメトリレンダラーに直接統合することができ、シャドウをキャスト(投影)したり受け取ったり、中間ステップや複数のレンダリングパス、合成トリックを持たないレイトレースされた反射に表示したりすることができます。

Krakatoa Atmospheric(環境)効果は、Color (カラー)、Emission (放出)、Absorption (吸収)およびDensity (密度)チャンネルを含む、シェーディングに関連する基本的なパーティクルチャンネルをサポートし、また、ジオメトリオブジェクトからジオメトリオブジェクトへのシャドウ キャスティングをサポートします。主な露出コントロールは、ボクセルサイズで表示されるSpacingおよびAdaptive Step Min.とMax.値となります。

Krakatoa Atmospheric(環境)効果はすべてのボクセルを一度に割り当てる必要があるため、多くのメモリを必要とします。

> ページトップへ戻る

 

パフォーマンスの改善

今回のバージョンより、PRT Loaderは同一のオブジェクトにリストされたPRTシーケンスのパラレルローディングをサポートします(概してパーティション)。Fusion-ioカードや高速のSolid State Driveからの複数のパーティションの読み込みは、Krakatoa v1.6.1と比べて12倍高速です。Fusion-ioカードに保存された80のパーティションから1億個のパーティクルをメモリに読み込む時間は、4.75秒でした。PRT Loaderとプロシージャルマルチスレッド方式のパーティクルジェネレータ(PRT Maker)の2つを使用した場合の読み込みのパフォーマンスは、毎秒2,100万パーティクルでした。

A + B = B + Aおよび描画の順番には関係がないため、[>Force Additive Mode]は今回からSorting (整列)フェーズをスキップします。これにより純粋な加算レンダリングが非常に高速化します。また、ライティングは純粋な加算レンダリングに影響がないため、このような特定の場合には[>Ignore Scene Lights]にチェックを入れてLightingチャンネルを割り当てないようにし、メモリを節約することができます。

無効なカラーをチェックするコードの一部をDrawingループに移行し、パーティクルをライティングする前にLightingチャンネルをリセットするのに使用するコードを最適化することにより、(特にパーティクルを何十億個含む場合の)全体的なレンダリングパフォーマンスが20%向上しました(他のCPU設定では37%)。

40億個以上のパーティクルのレンダリングは、v.1.6.1またはそれ以前のバージョンではサポートしていませんでした。今回、この制限は撤廃されました。Krakatoa MXは、メモリ容量 1TBのマシンを使用して単一フレームで40億個までのパーティクルのレンダリングに成功しました。

> ページトップへ戻る

 

Krakatoaレンダリング

バイリニアフィルタのサンプルサイズ

Particleモードでライティングや最終パスをレンダリングする場合、Bilinear (バイリニア)フィルタのサンプルサイズは自由にコントロールすることができます。Self-Shadowing Filterに高いサンプル値を指定した場合、影を滑らかにしてモアレ効果が減少します。Draw Filterに高いフィルタサイズを設定すると、最終画像にブラーを生成し、少数のパーティクルをレンダリングする際の結果を向上させます。

Environment Reflection Strength

KrakatoaのMain Controlsロールアウトに新規で追加されたコントロール。グローバルに環境反射マップの強度を調整します。

背景に環境マップを使用

今回のバージョンから、Background Color Global Overrideを有効にするとレンダリング時に背景をMax Environment Mapに置き換え、それをEnvironment Reflection Mapとして反映させることができます。Background Color Overrideが無効の場合は背景がレンダリングされ、背景画像の上でパーティクルレンダリングの迅速なコンポジティングが行われます。

マットオブジェクトと環境効果のレイトレース反射

今回より、Krakatoaマテリアルは、マットオブジェクト、環境効果、環境マップのレイトレース反射(Raytraced reflection)を追加の放出(Emission)ソースとしてサポートします。これはKrakatoa Atmospheric効果の反射も含みます。このモードはKrakatoa独自のレイトレース・アクセラレーションを使用し、3ds Maxのレイトレースマップよりも速く動作します。

Krakatoaマテリアルの改善

PRTオブジェクトにColorチャンネルがない場合や、マテリアルのScatter Colorチェックボックスにチェックが入っていない場合、KrakatoaマテリアルはPRTオブジェクトのワイヤフレームカラーを通過します。このような場合、以前はデフォルトの白色が使用されていました。

上記で記載されているように、Krakatoaマテリアルはマットオブジェクト、環境効果、および環境マップのレイトレース反射にも対応します。

パーティクルの密度(Density)で放出(Emission)をスケールする新規オプションが追加されました。

レンダリング要素の改善

ボクセルモードでレンダリング要素がサポートされるようになりました。

> ページトップへ戻る

 

パーティクルソース

PRT Hairオブジェクト

当初、PRT HairオブジェクトはHair Farm用にデザインされていましたが、現在はシーン中でMax Hair & Furをサポートしています(一般的に、ヘアオブジェクトを排除するにはそれを非表示にします)。また、標準スプラインとも使用できるため、スプラインを生成する任意のオブジェクトをパーティクルに変換することができます。Hair Farmを使用する際は、スタックにモディファイヤを追加してヘアをスプラインに変換する必要があります。

ヘアのパラメータを調整するための、KCMで使用可能ないくつかの便利なチャンネルが自動生成されます。PDVを使って探索ください。特に、密度はストランド(ヘアの状態)に沿って自動的に減衰するため、先端ではより細く表示されます。ヘアのカラーグラデーションを定義するのに使用できる、ルートの位置やルートからの距離を示すチャンネルがあります。また、NormalおよびTangentチャンネルも生成されます。

PRT Makerオブジェクト

PRT Makerオブジェクトは、後ほどMagmaモディファイヤで分配する膨大な数のパーティクル(各オブジェクトに対する上限は40億個まで)をとても迅速に生成できます。

また、フラクタルのようなデザインを生成するための、アニメートされたaffin transform操作のアプリケーションもサポートします。このようなデザインを探索および操作するために、専用PRT Maker Designerユーティリティ (下記参照)が提供されています。フラクタルデザインコントロールはMAXScriptでも完全にアクセス可能です。

PRT Maker Designerユーティリティ

新しいPRT Maker Designer utilityはKrakatoaに付属しており、Krakatoaメニューから利用できます。これにより、基本パラメータを使用してデザインウェッジを作成したり、作成したデザインの各フレームをディスクに保存したり、保存したデザインを新規のアニメーションしたウェッジと結合して新しいデザインを“遺伝子工学”の過程のように生成したりすることができます。

PRT Loaderオブジェクト

PRT Loaderオブジェクトに、滑らかな立体補間を実行する新しいオプション(perform smooth cubic interpolation)を追加しました。このオプションは付近のフレームから得たパーティクルの位置を使用し、パフォーマンスを犠牲にしてハーフ・フレーム リタイミングの不連続を修正します。

PRT Loaderファイルシーケンスはファイル名アセットとして表示され、他の任意の外部リファレンスのように置き換えて操作可能なAsset Trackerに表示されます。さらに、PRTファイルシーケンスは、3ds Maxでシーンを開かなくても.MAXファイルのアセットメタデータ(Asset Metadata)としてアクセスおよび修正することができます。

PRT Loaderの[Add All Partition Sequences]メニューオプションを修正しました。これは全想定パーティションの設定を、それらが実際に保存される前にSave ParticlesとPartitioningロールアウトに追加します。これにより、Partitioning Job (各パーティションにつき1ジョブ)を送ったり、全想定パーティションをリスト化したPRT Loaderを含むレンダリングジョブをDeadlineに送信することや後者のフレーム依存のものを前者に持ってきたりすることができます。従って、単一フレームにすべてのパーティションが完全に保存された時、対応するレンダリング タスクはそれをレンダリングすることができます。

今回のバージョンよりPRT Loaderは3ds Maxの標準のIParticleObjectExtインターフェースを表示し、PRTシーケンスをパーティクルソースとして使用したい他のプラグインからもアクセスが可能になりました。

PRT Volumeオブジェクト

PRT VolumeのRandom Seedがキーフレーム可能になりました。これは、泡のようなノイズを生成するために、フロスト化したRealFlowのようなボリューム内のジッターパーティクルを生成するのに便利です。

PRT Volumeオブジェクトに、ソースオブジェクトのワールド スペース ジオメトリを使用する新たなWorld Spaceオプションを追加しました。これはPRT Volumeオブジェクトの変換(transform)を無視し、Frostメッシュを変換したり、world-aligned (ワールド整列)された固定的なボクセルグリッド間を移動するオブジェクトのシミュレーションを行ったりする場合に便利です。

PRT Volume Viewport Spacing Factorを制御するために新たなPreferencesオプションを追加しました。高い値はより多くのパーティクルを生成し、初期値は50.0です。この値は、VOL MacroScriptまたはKrakatoaメニューの[Create PRT Volume…]項目から作成する際に、ソースのバウンディング ボックスの一番大きい寸法に基づいてビューポート間隔をスケールするために使用されます。以前のリリースでは50.0の値はハードコーディングされており、そのボリュームに関係なく同一のジオメトリオブジェクトから同一のパーティクル数を生成することを保証します。例えば、半径10.0の球は、半径1000.0の球と同じ数のビューポートパーティクルを生成します。このバージョンから、実際の数は新しいPreferenceオプションで調整することができます。

PRT FumeFXオブジェクト

PRT FumeFXオブジェクトは、このバージョンから煙や炎のないFumeFXストリーム(流れ)の変換をサポートします。

Phoenix FDパーティクルのサポート

Chaos Groups社のPhoenix FD流体シミュレーションソフトウェアをパーティクルソースとして直接サポートします。レンダリングは、PRT FumeFXオブジェクトで使用されるオプションと同じものを使用してコントロールします。

PRT Clonerモディファイヤ

PRT Clonerモディファイヤにより、ターゲット パーティクルオブジェクトの各パーティクルにパーティクル群(ソース)を分散させることができます。それぞれのパーティクルは、ソースを循環したり、既にFROSTで形状の割り当てを制御するのに使用されているShapeIndexチャンネルを使用したりして異なる形状を得ることができます。パーティクルの形状のスケーリングは、分散ストリーム(distributed stream)の中のパーティクルの距離またはそのScaleチャンネルで制御することができます。Orientaion (方向)チャンネルもサポートしています。複数のモディファイヤを使用してクローン操作をスタックすることができます。

PRT ClonerはすべてのPRTオブジェクトクラスをソースとして受け入れることができます。これにはPRT Loader、PRT Volume、PRT Hair、PRT FumeFX、PRT Maker、PRT Sourceが含まれます。

Krakatoa Deleteモディファイヤの改善

Krakatoa Deleteモディファイヤに、選択チャンネルをリセットするオプションを追加しました。これはその上のモディファイヤへの影響を防ぎます。

> ページトップへ戻る

 

Magma 2.0 Particle Channel Editing

Magma 2は、Krakatoaのチャンネル編集サブシステムを完全に書き換えたものです。これは徹底的により新しいよりスケーラブルな仕様となりました。UIレベルでは、Betaテスターより報告頂いた問題の大部分を解決しました。

Magma Flow (マグマフロー) データストレージ

今回より、フローは関連するコントローラおよびプロパティと共にそのモディファイヤ自体に保存されるようになりました。すべてのデータはMAXScriptを通して取得したり設定したりすることができ、完全なASCIIベースの互換形式を可能にします。ノードはリファレンスとして保存され、それらはname-independent (名前独立型)です。コピーと貼り付けはネイティブでサポートしています。kd-treeアクセラレーションデータ、ノイズノードデータ、その他がキャッシュできるようになり、パフォーマンスが向上しました。

フローは一つのデータを複数のターゲットに分岐ができるよう、複数の出力ノードをサポートします。

ノードには1つまたはそれ以上の出力ソケットを付けることができ、これにより複雑なデータを抽出する際のノード数を減らすことができます。

入力ソケットにはデフォルト値を設定することができます。これにより、アニメーション可能な値および出力可能な値を使用する場合にのみInput Valueノードが必要となり、その他の値に対するInput Valueノードの必要性が減少します。

一度に複数のエディタを開くことができます。

旧バージョンとの互換性

古いシーンを読み込む際に、旧KCMとCustomDataレンダリング要素は新しいMagmaモディファイヤおよびCustomDataレンダリング要素に自動変換されます。オリジナルのMagma 1.xシステムも利用可能となっているため、オリジナルフローを保つために自動変換は一時的に無効にすることができます。旧KMFファイルも手動で選択したり読み込んだりすることができ、Magma 2フローに完全に変換することができます。

新たなMagma Flow方式

Magma 2フローの保存は、フロー中のノードの作成を説明する標準のMAXScriptコード[C++ plugin]を使用して実行されます。この方式では、読み込みや統合、コピーまたは貼り付けをすることやフォーラムを通して共有したりすることができます。エディタの元に戻す(Undo)/やり直し(Redo)バッファもこの方式を使用して中間ステップを保存します。また、この方式はInputValueノードに割り当てられた任意のコントローラのキーフレームも保存します。

同様のことがBLOP定義にも適用されます。BLOPは通常フローとほぼ同じ形式で保存されます。既存の定義はコンテナ(Depot)およびBキーのカテゴリメニューに表示されます。コンテナ内のBLOPは、マウスをBLOPに合わせるとそれらの注釈説明(Notes)を表示します。説明が保存されていない場合は、そのファイルへのパスが代わりに表示されます。

KMF/MagmaScriptフローは、Magma Flow Editorの中から直に読み込むことができます。フローをダブルクリックするとそれを読み込み、[Custom Flow]をダブルクリックすることで前のフローに戻ることができます。Magma 2フローの説明(がある場合)は、ファイルを選択した時にNotesフィールドに表示されます。

強化したノード表示オプション(Display Options)

InputVectorとInputTextmapノードの色見本およびテクスチャマップのプレビューオプションは、Viewメニューのオプションを有効にすることで表示可能です。Viewメニューの他のオプションは、接続したノードの名前や値を入力ソケットに表示することができます。

初期値

今回のバージョンから、多くのノードの入力ソケットに初期値が提供され、より少ないInputValueノードでフローをより分かり易くします。値をアニメーションしたりUIに表示したりする際にのみInputValueノードが必要となり、その他の値にInputValueノードを設定する必要は特に必要ありません。

初期値にはユーザーが定義可能なタイプがあります。例えば、Addの場合、ユーザーは2番目の入力ソケットの初期値に、1番目のソケットが必要とするVector、FloatあるいはIntのいずれかを選択することができます。

既存のワイヤーにノードを挿入する

接続されていないノードを既存のワイヤーに挿入することが可能になりました。挿入するにはまず既存のワイヤーを選択し、Ctrlを押してフリーノードを選択し、その後、スペースバーを押します。また、ワイヤーを選択した状態でキーボードを使って新規のノードを作成することで、新規のノードを選択したワイヤーに挿入することができます。

ノードの接続を解除する

MagmaFlowでShiftを押しながらノードをドラッグすることで、そのノードの入力および出力ソケットの接続をすべて切り離し、指数(index)に関係なく最上階層に接続されたソケットのワイヤーを維持します。(従って、例えばインプット2が接続されておりインプット1が接続されていない場合、インプット2のワイヤーが維持されます。)

> ページトップへ戻る

 

Magma 2 ノード

Output (出力)ノード

単一のMagmaモディファイヤは、上から下の順番で評価される任意の数の出力を提供します。出力は、同じフローによって決定したり、独立したサブフローに接続したりすることができます。モディファイヤをスタックしたチャンネルを通してデータを受け渡したりすることは引き続きサポートしていますが、多くの場合、同様の効果は一度計算を実行したり、または結果のデータを複数のチャンネルで出力したりすることで生成可能です。

出力ノードは、他のノードと同様に無効にすることもできます。無効にすることによりそれらの全体のフローを抑圧し、出力チャンネルデータを生成しません。即ち、ユーザーは同一のモディファイヤに複数のサブフローを付けたり、対応する出力ノードを無効にしてそのサブフローの一部を無効にすることが可能です。

また、出力ノードはダブルクリックすることで折りたたむことができます。折りたたむことで、ノードが他の出力ノードで使用されていない限り、ブランチ全体を非表示にします。これは、特定の出力に関するノード作成のみに専念したい場合に便利です。

InputObjectとPropertyQuery

InputObjectノードに加え、PropertyQueryノードは、MAXScriptを通してアクセス可能な任意のプロパティをシーンオブジェクトから取得することができます。いくつかの明白なプロパティは自動的に一覧表示されますが、独自の書式(expression)を入力して取得することもできます。例えばテキストフィールドに“material.diffuse”と入力し、Add…を押して新規の出力ソケットを表示させることができます。PropertyQueryノードは、古いInput Value > Connect To Trackアプローチを完全に入れ替えます。オブジェクトの位置、回転、ベースオブジェクトのプロパティ値、モディファイヤプロパティ、その他を取得する場合には、このノードセットを使用します。

InputGeometry

InputGeometryには、オブジェクト数(Object Count)を取得するための2番目の出力ソケットが付いています。

InputTexmapとTexture Map Sampling

InputTexmapノードは、入力ソケットを持つ新しいタイプのInput (入力)ノードです。旧Magma 1.xの入力ノードにはインプットソケットが付いていませんでした。このノードは、オブジェクト スペースもしくはUVスペース内の任意のポイントにあるテクスチャを評価するのに使用可能です。これは明示的(explicit)チャンネルデータおよび暗黙的(implicit)チャンネルデータの両方をサポートします。明示的データはオプションの入力ソケットで提供され、暗黙的(非明示的)データは現在のパーティクルオブジェクトの入ってくるチャンネルを使用してMagma 1.xのように動作します。

InputParticlesとParticle Data Sampling

InputParticlesノードは、データアクセスおよびサンプリング用の「プロクシ」パーティクルシステムから提供されます。これには2つ目の出力ソケットがあり、選択したシステムのパーティクル数(Particle Count)を提供します。

ParticleQueryオペレータは特定の指数が指定されたパーティクルのデータへのアクセスを提供します。

NearestParticleオペレータは、指定したサンプルポイントに一番近いパーティクルを返します。

ParticleSumCountParticleSumRadiusオペレータは付近のパーティクルのチャンネル値のサンプリングを可能にします。ParticleSumCountオペレータは特定のパーティクル数の値を集め、ParticleSumRadiusオペレータは指定した半径内のパーティクルの値を返します。出力は、値の合計および平均値を生成するための除法の加重値となります。例えば付近のN個のパーティクルの平均速度(Speed)の計算や指定した位置より10ユニット内にあるすべてのパーティクルの平均速度を計算することができます。また、それらの平均カラー(Color)や位置(Position)なども計算することができます。現在のシステムではまだ動作しません(つまり2つの個別のパーティクルシステムが必要となり、一つはチャンネルのソースとして、2つ目はターゲットとするモディファイヤ付きのパーティクルシステムです)。

Arithmetricオペレータ

新たなModuloオペレータが追加されました。

Functionオペレータ

Function>Curveノードは今回のバージョンより大きなフローティングダイアログで編集し、0-1の領域で区切られてからその後に、X範囲のスケーリングをサポートします。

Function>NoiseとFunction>VecNoiseオペレータに、-1から+1までの範囲の値を出力するためのNormalize (標準化)オプションを追加しました。

Conversionノード

Breakoutノードはベクトルの要素を抽出するのに使用できます。ToVectorと一緒に使用することで、要素を再配列するのに使用することも可能です。例えばXYZ –> XZYなど。このノードは1つまたは複数の出力ソケットを付け加えることができるため、Magma 1.x以外ではここで単一ノードから3要素すべての取得が可能です。

QuatToVectorsノードはMagma 1.xのFromQuatと同じですが、3要素に対して3つの出力があります。

VectorsToQuatは、3つの軸をQuat値に変換することができます。これはMagma 1.xのToQuatノードと同じです。

Vectorオペレータ

MatrixMulVecノードは、ベクトルを3×3の行列(マトリックス)で乗算するのに使用可能です。これは主にPRT Creatorでのフラクタル生成に使用されます。

Logicオペレータ

Mux (Multiplexor)オペレータは、N番目の(コントロール)入力ソケットに送られた0ベースの整数に基づいて、最初のN-1入力ソケットの一つから出力ソケットにデータを送ることを可能にします。この場合、NはInputの数を示します。つまり、最後のソケットに0を送ることで最初の入力ソケットの値を出力し、5を送ることで6番目を出力する、など。

Surfaceオペレータ

IntersectRayNearestPointオペレータは今回よりkd-treeアクセラレーション構成をキャッシュし、また、より少ないジオメトリデータの更新で済むため、結果としてスピードが速くなります。特定の結果を抽出するのにSurfaceDataノードを使用する代わりに、Position、Object Index、Barycentric CoordinateおよびFace Normalのような結果の多くは複数の出力ソケットとして出力されます。追加の情報はFaceQueryオペレータを使用して取得することができます。

FaceQueryオペレータは、重心座標(barycentric coordinate)を基に平面内のポイントをサンプルするのに使用できます。Position、Selection、Normalチャンネルをサポートし、後者はIntersectRayとNearestPointから返される(ファセットされた)フェース法線に対比するレンダリング時の滑らかな法線を生成します。

MeshQueryオペレータはGeometryとObjIndex入力を取得し、ジオメトリのFace Countを出力します。

Systemノード

Elbowノードは、任意のワイヤー間を修正することなく通過させる場合に使用できます。これはワイヤーのフローガイドとなり、丸いノードとして描画され、正確に単一の入力ソケットと出力ソケットが付きます。

Missingノードは、旧バージョンから廃棄したノードを読み込む際の代用ノードです。現在は旧ベータビルドからのものですが、今後旧バージョンからのノードを使用される場合は、Krakatoa MX 2オペレータで取り除きます。ノードは通常のエラーよりも明るい赤色で表示され、手動で置き換えるか削除する必要があります。

> ページトップへ戻る

 

KrakatoaのGUI変更

PRT Hair、PRT Maker、PRT Sourceの新しいMain Controlsボタンがソースボタンの所に追加されました。VFB拡張子とSchematic Flowも、これらのオブジェクトを表示するように更新されました。PRT FumeFXオプションは、Phoenix FDパーティクルのレンダリングを可能にするために拡張されました。

新たな2つのPhase FunctionがKrakatoaに追加されました。Kajiya-Kai (シンプルなヘア シェーディング)と、第2のカラーハイライトや他の多くのコントロールを含むMarschner (高度なヘア シェーディング)です。

新たな2つの値スピナーが、バイリニア・フィルタ サイズを特定するためにShadow FilterとDraw Point Filterドロップダウンリストに追加されました。

Krakatoa GUI > Main ControlsにReflection Strengthコントロールを追加しました。これは、ビットマップ ローダーに触れずに環境反射(Environment Reflections)の強度を調整するために使用します。

Switch To/Fromダイアログの表現が変更され、フォーマットが改良されました。GUIのツールチップ(Tooltip)もまたリフォーマット(再配列)され、多くは新しい行になり読みやすくなりました。

PreferencesフローターにKrakatoa SRエクスポートオプションを含むロールアウトが追加されました。今回のバージョンより、すべてのマルチスレッド プリファレンス(Multi-Threading Preference)オプションはオン/オフのチェックボックスになりました。

VFB Extensionパネルは800ピクセル幅に拡大され、今回より現在のビューポートの固定が可能になり、以前はなかった背景色のオーバーライドや、Reflection Strength値およびBilinear Filter Sizeスピナーが含まれます。

> ページトップへ戻る

 

パーティクルデータ ビューア(Particle Data Viewer)

チャンネルがファイルストリームから来たものでない場合、今回のバージョンよりPRT Loaderのチャンネル名の前に“>”記号が表示されます。例えばPosition、Velocity、IDを含むPRTシーケンスを読み込んだ場合、PDVはローダーのデフォルトから得たColorとDensity (それぞれオブジェクトワイヤーカラーおよび1.0)も表示します。これらの2つのチャンネルの名前の横には > が付き、ファイルから得たものでないことを示します。同様のことがストックのKCMで作成されたチャンネルにも適用されます。

Thinking Particles 4以降用に新しくスクリプトされた“TP PDV”オペレータは、任意のデータをKrakatoa Particle Data Viewerに出力するために使用することができます。

> ページトップへ戻る

 

MAXScriptインタフェース

FranticParticlesインタフェースに2つの新たなメソッドが追加されました。

<bool>FranticParticles.SaveParticleObjectsToFile <node array>Nodes <value>Filename <value>Channels

このメソッドは特定のノード(複数可)を指定したPRTファイル名に保存します。3つ目の引数(argument)は、ソース ストリームで検出されたすべてのチャンネルを保存するためのチャンネルレイアウトを特定する配列(array)、もしくは空の配列 #() となります。

<void>FranticParticles.SaveHairFile <bool>SaveWholeSceneHairAndFur <node>
SaveSingleObjectSplineNode <value>Filename <integer>FrameStart <integer>FrameEnd

このメソッドは、指定したノードのスプライン定義をKrakatoa SRで読み込むことができるPRTベースのファイル形式、または更に修正するためにKrakatoa MXでKrakatoa PRT Loaderを使用して読み込むことが可能なPRTベースのファイル形式に保存します。ファイルには専用のSplineIDとKnotIDチャンネルから得たスプライン ノット定義が含まれます。

 

> ページトップへ戻る

 

Matte Objects Explorerの改善

Matte Objects Explorerに、オブジェクト設定の直接的な調整を可能にする右クリックメニューが追加されました。

REFRESH (更新)オプション、Layer Name (レイヤー名)表示を追加し、Matte Objects Explorerでプロパティを変更するときのMatte Objectsロールアウトを更新しました。ノードをダブルクリックすることにより、それらをビューポートで選択することが可能です。

 

> ページトップへ戻る

 

 

パーティクルフローオペレータの改善

今回、PFlowのKrakatoa Geometry Lookupオペレータに[Update Only Once (一回のみ更新)]オプションが追加されました。これはイベントに入ってくる新規のパーティクルのみに作用します。ステップごとに更新する場合に使用します。