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ポリゴン・ピクチュアズ様 Deadlineソフトウェアの導入事例

~Deadlineでレンダーファームを管理する~

日本の大手アニメーションスタジオがThinkbox Software社のカスタマイズ可能なレンダリング管理ソリューションであるDeadlineを使用して、内部の計算リソースを最大限に活用します

「誰もやっていないことを 圧倒的なクオリティで 世界に向けて発信していく」をミッションに、株式会社ポリゴン・ピクチュアズ(以下、ポリゴン・ピクチュアズ)は東京を拠点に1983年に創立されました。エミー賞を受賞し高い評価を受けた『トランスフォーマー プライム』、『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』、そしてアニー賞を受賞した『トロン:ライジング』などの長編フルCG・TVシリーズをはじめ、映画、ゲーム、展示会、WEB・スマートデバイスなど、様々なメディアに対応するデジタルアニメーションを制作しています。厳しい制作スケジュールに対して会社が計算リソースを最大限に活用できるよう、ポリゴン・ピクチュアズはThinkbox Software社のDeadlineを使用してレンダーファームを管理しています。

『トランスフォーマー プライム』 | Copyright © 2014 Hub Television Networks, LLC. All Rights Reserved.

『トロン:ライジング』 | Copyright © Disney

以前はインハウスで開発したシステムを使用していましたが、2010年ソフトウェアのディストリビュータである株式会社インディゾーンを通してDeadlineを導入しました。「対応しなければならないアプリケーションの種類や設定などが増え、インハウスで開発したシステムではメンテナンスが煩雑になりつつあったので、市販のレンダリングマネジメントシステムを採用することを検討いたしました。多数のアプリケーションへの対応、柔軟性、拡張性(SubmissionScript、PluginScriptの変更が容易)が十分に高いことを考慮して、Deadlineを選択させていただきました。」と同社 R&D担当の亀田慶一氏は話します。

社内リソースを最大限利用するため、ポリゴン・ピクチュアズはDeadlineを使用して、レンダリング専用サーバー約130台(1500core)に加え、アイドル状態の時にはアーティストのワークステーション約400台(3000core)もレンダリングに参加させています。ワークステーションをログアウトすると、自動的にSlaveが起動し、レンダーファームに参加します。ポリゴン・ピクチュアズではDeadlineの優先度設定機能(Priority)によってジョブに優先順位を付けたり、複数のプロジェクトにおいて適切なリソースを配布することが可能となっています。

亀田氏 作業風景

亀田氏は次のように語ります。「ジョブ管理で当初Poolなどを使用せずPriorityのみで管理していましたが、複数のプロジェクトが大量のジョブを実行するようになり、プロジェクト間のPriority調整が大変になったため、プロジェクトごとのPoolを作成し、 ノードごとにPoolの割り当て順番を変えることで、プロジェクト間のPriorityを行うようにしました。現在はDeadlineを使用して週単位でジョブの使用リソース予想をしてもらうことで、各ノードのPoolの順番を調整しています。1つのRepositoryでPoolを管理するのが、運用面も含め 一番効率がよいジョブ管理であることが分かりました。現設定では、あるレンダーノードのジョブ実行中に、後からそのレンダーノードに対し 優先度が高いジョブが投入された場合、すでに実行中のジョブが終了するまで待機となるか、または外部から強制的にジョブを停止するまで優先度の高いジョブは実行されない設定になっています。」

Windows 7 64bitと一部Apple OSXを使用するポリゴン・ピクチュアズでは、プロジェクトごとのアクセスセキュリティによってマウントするドライブやアプリケーションの環境設定が異なり、また、Submission ScriptやPlug-in Scriptについてもカスタマイズを行っています。Deadlineは標準で多数のアプリケーションに対応しているため、ポリゴン・ピクチュアズは難なくDeadlineを独自のパイプラインに導入することができました。

「アーティストが使用するソフトウェアである、Maya、NUKE、Houdini、3dsMax等のレンダリングはもちろんですが、連番イメージシーケンスのQuickTime化など、バッチ処理としても幅広くDeadlineを使用しています。」同社 Lighting & Compositingグループリーダーを務める田森敦氏は説明します。

DeadlineのオープンなAPIを活用して、ポリゴン・ピクチュアズはインハウスのスクリプトやツールおよび設定を各種作成し、Deadlineの優れたGUIを高く評価しています。「Deadline Monitor上でレンダリング状況がわかりやすい為、常に変動する現場ニーズへの対応が可能となっています。」と田森氏は話します。

ポリゴン・ピクチュアズ 社内の様子

現在ポリゴン・ピクチュアズは『シドニアの騎士 第九惑星戦役』(瀬下寛之監督)、『山賊の娘ローニャ』(宮崎吾朗監督)の制作に取り組んでおり、同社独自の企画制作ノウハウと、世界的に評価が高い日本のアニメーションとを融合させた“日本発”の新しい映像表現の開発に力を注いでいます。

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『シドニアの騎士 第九惑星戦役』©弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

Thinkbox Software社について

Chris Bondによって2010年に創設したThinkbox Software社は、プロダクション導入済みのビジュアルアーティスト向けのツールを開発し、各製品に対応の良い質の高いサポートを行っています。エンターテインメント、工業、またはデザイン業界で使用されるThinkbox社製品には、レンダリングやファイル処理で使用される大容量データ管理ソフトウェアであるDeadline®や、アーティスト主導のソフトウェアツールがあり、VFX、アニメーション、デジタルシミュレーション用のデータセットの作成、ビジュアライズ、修正が可能です。詳細については www.thinkboxsoftware.com をご覧ください。Twitterでも @thinkboxsoft をフォローできます。

株式会社インディゾーンについて

インディゾーンは、当初3次元グラフィックスワークステーションであるシリコングラフィックス(SGI)社のワークステーションユーザーの為の周辺機器とサービスを行う会社として1996年5月に設立されました。 現在のビジネスの主体は上記の周辺機器中心から徐々に、HP社ワークステーションおよびWindows、Apple社MacintoshベースのCGおよびノンリニア編集システムや各種映像装置の販売・保守を中心に、インターネット上のオンラインショップ及びWebコンテンツの制作業務を行っています。近年では3DCGソフトであるカナダのSide Effects社のHoudini日本国内総代理店やPixar Animation Studios社のRenderManの正規国内販売店や英国The Foundry社の3DコンポジットツールNukeの日本代理店及びカナダのThinkbox Softwareの日本代理店としてコンテンツクリエイションツールなどのクリエイターに人気の高い製品の販売を通じて業界内で確固たる地位を確立しています。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社インディゾーン 担当 田中
TEL:03-5733-8971 / FAX:03-5733-8972(平日 09:30-18:00)
東京都港区浜松町2-7-11 芝KSビル 3階