Krakatoa MX 2.3 変更リスト
以下は、前回のv2.0.2の公式リリース以降にKrakatoa MX 2.3の発売で導入および拡張した機能について記載しています。
これに関連する変更リストは、v2.1.x、v2.1.4、v2.1.5、v2.1.6、v2.1.7、v2.1.8、v2.2.0およびv2.3.0をご覧ください。
概要
Krakatoa MX 2.3は、3ds Max向けのボリューメトリックパーティクルのレンダリング・操作・管理ツールキットであるKrakatoaの公式商用版です。以下でリスト化されている機能の一部は、ベータ版ビルド2.1.xと2.2.xで入手可能だったものです。
Krakatoa MX 2.3には、バージョン2.3用のライセンスが必要で、2.0のライセンスではご使用いただけません。ライセンスの更新およびダウンロードリンクへのアクセス方法は、インディゾーンまでお問い合わせください。
今回のリリースにおける主要な新機能と、v2.0.2からの改善点のリストです。
- PRT Clonerモディファイア内のParticle Repopulationオプションで、低解像のシミュレーションから密集したパーティクルクラウドの作成が可能になりました。
- 高速なパーティクル操作ができるPRT ClonerモディファイアのSpherical Distribution。
- GlobalおよびPer-Channel Metadata、Coordinate SystemそしてUnits Conversionが機能するPRT 1.1. I/Oフォーマットによって、3ds Max、Maya、その他のKrakatoa実装データの相互運用性が改善しました。
- PRT Surfaceオブジェクトによって、オブジェクトサーフェス上に高速にパーティクルを配置します。
- VoxelでのレンダリングモードにおけるConsistent Densityの操作性。
- 3ds Max Commandレンダリングを使用した、新たなLocal Partitioningモードを搭載。
- MagmaFlowの全ノードに高速にアクセスできる、新しいActiveTypeシステム。
- Stoke MXのパーティクルシミュレーションおよびStoke PRT Fieldオブジェクト用のレンダリングをサポート。
- 3ds Max 2013と3ds Max 2014に対応しました。(これらの2つの3ds Max間でプラグインの互換性のために同じプラグインを使用しています)
- Thinking Particles 5.xと6.0に対応しました。MAXScript経由でアクセスできるExpert Modeを通じて将来的なTPバージョンも同様です。
- PRT HairのソースオブジェクトとしてOrnatrixをサポート。
PRT Cloner
Particle Repopulation (パーティクルの再増殖)
Particle Repopulationはもともと、初期のKrakatoa MYとKrakatoa SRに含まれていましたが、今回PRT Clonerモディファイアにオプションとして搭載されました。相対的に低解像度なパーティクルシミュレーションに基づいた非常に高密度なパーティクルクラウドを作成できます。
この機能にはライセンスは不要ですが、有効なライセンスが存在するかチェックを行います。
Spherical Distribution (球面の分布)
V2.0におけるPRT Clonerの元々の実装では、ソースシステムのパーティクルに分布されるパーティクルを定義するために二つ目のパーティクルシステムを選択しなければなりませんでした。シンプルなパフやパーティクルが必要なときにワークフローを単純化するために、球状体積内に任意の数のパーティクルをプロシージャルに生成するオプションがデフォルトモードで追加されました。
Channels Preservation (チャンネルの維持)
当初は、PRT Clonerモディファイアは、ソースパーティクルやディストリビューションソースからのチャンネルを通過していました。V2.2では、両方のチャンネルセットが維持され、Sourceチャンネルは、通常のチャンネル名から分離するために「Source」という接頭辞があります。これによって、Magmaモディファイアは両方のチャンネルセットにアクセスでき、データを損なわずに必要に応じて新しいデータを作成できるようになりました。
PRT 1.1 I/O
PRTファイルフォーマットは、3ds Max用のKrakatoa MX、Maya用のKrakatoa MY、そしてKrakatoa SRスタンドアロンレンダラを含めた全Krakatoa製品のv2.2において拡張されました。新バージョン1.1は、1.0との互換性があります。これは、バージョン1.0用の優れたローダーが、追加データのブロックをスキップすることで問題なく1.1のファイルを読み込むことができるという意味です。
バージョン1.1では、アプリケーション間のファイルの内容に関して、追加された任意の情報を通過するために使用できるMetadataを導入しました。Metadataは、GlobalもしくはPer-Channelのどちらかになり得ます。この新システムは、いくつかのMetadataに基づく機能をあらかじめ定義するために使用されていました。
Units Scale Conversion (計測単位の変換)
「LengthUnitInMeters」と呼ばれるGlobal Metadataレコードは、ホストアプリケーションのsystem units scaleをエンコードするためにPRT saverやloaderから実行することができます。スケールをMetersに相対して表現します。例えば、もし3ds Maxが1 Generic Unit = 1インチで設定されると、ファイルに記述される値は0.0254となります。Mayaは1 Generic Unit = 1メートルを使用するため、Mayaから保存されたファイルには1.0となります。異なったSystem Units Scaleで設定されたシーンでそのファイルが読み込まれると、パーティクルはPRT Loaderによって自動的にスケールされます。
Coordinate System Conversion (座標システム変換)
「CoordSys」と呼ばれるもう一つのGlobal Metadataレコードは、ホストアプリケーションの座標システムの方向をエンコードするために使うことができ、これによってPRT Loaderは、異なっている場合、クラウドをターゲットアプリケーションの座標システムに変換できます。例えば、Mayaは1の値(右手座標系でYがUp軸)で保存しますが、3ds Maxで保存されたPRTファイルは2の値(右手座標系でZがUp軸)でエンコードします。3ds MaxのファイルをMayaに読み込むとき、座標システムは自動的に変換され、ZがUp軸のパーティクルはYがUp軸の空間で正しく方向付けされます。また、Mayaのパーティクルを3ds Maxに読み込むとき、YがUp軸の座標はZがUp軸の座標に自動的に変換されます。左手座標システムもサポートしていますが、それぞれのアプリケーション(例:RealFlow)は、この変換メカニズムを共有するにはPRT 1.1.フォーマットのサポートを実装する必要があります。
Per-Channel Metadata (チャンネルごとのメタデータ)
新しいPRT 1.1フォーマットの仕様は、チャンネルごとのMetadataレコードも考慮に入れています。このシステムは、正しいタイプの変形を適用するために、各パーティクルチャンネルの意味上の Interpretation(解釈)を決定するためのUnitsおよびCoordinate System Conversionメカニズムに使用されています。例えば、Normalチャンネルは、3D Normalとして記録され、回転するけれどもスケールされません。一方、Positionチャンネルは、空間で3D Pointとして記録され、回転とスケールされます。あらかじめ定義されたチャンネルタイプのリストは、Vectors(ベクトル)、Quaternion Orientations(四元数方向)、Euler Rotations(オイラー回転)、Scalars(スカラー)などをサポートするための仕様に含まれています。また、チャンネルは、変換変形の影響を全く受けないようにUnspecifiedとして記録させることもできます。
PRT Surface Object
ベータ版のKrakatoa 2.1.7で初めて導入されたPRT Surfaceオブジェクトは、ジオメトリオブジェクトのサーフェス上で多数のパーティクルを配置するために高速な方法を提供します。これは、Position Objectを使用するためのParticle Flowセットに対するさらに高速な選択肢として提供され、Particle Flowセットがランダムなサーフェス配置のみを行う一方、計測可能で負荷もかけずに、Normal、Tangent、Mapping Coordinatesのような適切なサーフェスチャンネルを取得するという利点を追加しました(この場合、Particle Flowは高価な追加オペレータを要求します)。
PRT Surfaceオブジェクトは、特定の数のパーティクルを生成するための絶対的なCount値と、Spacingに基づいてパーティクルを生成する相対的なSpacing値の両方に対応しています。配置は、ソースが1つだけ選択されているときのオブジェクト空間で行われるか、ワールド空間に切り替えて、PRT Surfaceの変形を無視してソースのワールド空間変形を優先させることができます。複数のソースオブジェクトが選択されると、PRT Surfaceは自動的にWorld Spaceモードを使用します。
Voxel Rendering Density Compensation(ボクセルレンダリングの密度補正)
Voxel Rendererは2.1.6ベータ版のビルドでかなり修正され、現在はMX、MY、SRを含む全Krakatoa製品に実装されています。これは2.0.xのビルドと比べると異なる結果を生成する重要な変更ですが、新しい動作は、より予測可能で正確です。
前バージョンでは、Voxel Sizeの変更が、結果として生じるクラウドのLighting PassとFinal Pass のDensityに影響を与えていました(より大きなボクセルサイズがDensityを減少させました)。この点が修正され、現在はVoxelサイズが変更してもDensityは維持されます。Voxel Sizeが1.0でない場合、古いシーンは異なってレンダリングされ、旧式の正しくないルックに合わせるためにDensityマルチプライヤを調整する必要がでてきます。
Local Partitioning Mode (ローカルパーティショニングモード)
この新しいパーティショニングモードは、既に適用されたシード変更がある現行のシーンのコピーを保存し、3ds Maxのコマンドラインレンダラを呼び出してローカルワークステーション上でパラレルにこれらのシーンを処理します。
しかしながら、Backburner(コマンドラインレンダリングに使用される)の不安定さが原因で、これらのレンダリング作業のいくつかはランダムに失敗するかもしれません。コマンドラインは通常の
BATファイルを経由して実行されるので、必要であれば手動で簡単に再起動できます。
このモードはお試し機能として提供されているため、DeadlineパーティショニングやWorkstation上のシーケンシャルなLocalパーティショニングにはお勧めしません。
ActiveType In MagmaFlow (MagmaFlowでのActiveType)
ActiveTypeツールは、サブストリングサーチパターンに基づいて、使用できる全Magmaノードを配置するための高速な検索メカニズムを提供します。[`]キー、または[Ctrl]キー+スペースバーを押すと呼び出せます。これは形式上なので、[ESC]キーを押すと消すことができます。
ActiveTypeは、記述テキストだけでなく、名前やカテゴリでノードを検索するので、比較的あいまいな検索条件でオペレータの検索ができます。検索には大文字・小文字は関係ありません。ワイルドカードや理論的なOR / ANDオペレーションに対応し、任意の数の結果が戻ってきます。[*]を入力すると、利用できる全てのノードやコマンドが明示されます。
オペレータ、色値、ベクトル値などには個々に別名が使えます。数字を入力すると、その対応する値を持つInputValueノードが作成されます。サブストリングパターンを入力するか、結果のリストから選択すると、InputおよびOutputチャンネルが簡単に作成されます。
Enhancements To Existing Features (既存機能の拡張)
レンダリングボタンの左側のParticle Sourcesセクションが16個のチェックボタンに拡張され、粒度や新しいオブジェクトタイプをより細かく設定することができます。Phoenix FDソースオプションをFumeFXオプションから分離させ、PRT Surface、PRT Field、Stokeオプションが追加されました。
前バージョンのSystem Preferencesで利用可能だった既存のPRT Loader Multi-ThreadingコントロールがMain Controlsロールアウトで複製され、素早く切り替えができるようになりました。一部の制作環境において、ネットワーク上でレンダリングを行うためにジョブを提出するとき、多くのレンダーノードが同時に並列でPRTシーケンスを読み込もうとするので、レンダーファームの混雑を避けるために、このオプションを無効にすることをお勧めします。その重要性と、間違って使用すると全機能に影響を与えてしまうという事から、このオプションは赤く色づけされています。
Motion Blur Bias値スピナーは、Motion Blurが無効化されていてもグレイアウトされなくなりました。これは、Motion Blur無しにレンダリングを行った場合、パーティクルのレンダリングに影響が出るからです。
Memory ChannelsロールアウトのMemory CalculatorはMegabytes表示でしたが、KrakatoaにてRAMの容量で主に使用しているGigabytesの方が理にかなっているので、デフォルトになりました。ロールアウトの右下のボタンをクリックすると、GBとMBの表示切り替えができます。
VFB Extensionsの下のパネルのTime,Bytes/Particle,Cached Count and Memoryボタンのテキストは、Windows Clipboardにコピーされるようになりました。ベンチマークの結果を収集するときには便利です。
Magma And Channel Editing (Magmaとチャンネルの編集)
Genome 1.1のベータ版ビルドで導入されたLoopオペレータが、Krakatoa MXのMagma Modifierに内蔵されました。
Stoke MX 1.0の導入とともに、KrakatoaとStokeの両方で保存されたTimeチャンネルが、3ds Maxでは標準のInteger Ticks(4800ティックス毎秒)から、(他のアプリケーションでは標準)Floating Point Secondsに変更されました。PRT Loaderは、旧バージョンで保存されたInteger Ticksタイムチャンネルの読み込みをまだサポートしており、データをシーンの背後で実行中にFloating Point Secondsに変換します。したがって、MagmaFlowとParticle Data Viewerの両方でAgeやLifeSpanのようなTimeチャンネルを浮動小数点として表示できるようになります。確実なワークフローの副作用として、Particle Life値を正規化するために、分割する前にAgeやLifeSpanをFloatに変換することは不要になりました。
Rendererによって使用されるチャンネルを書き込むOutputノードのデータフォーマットは、Krakatoa UIのMemory Channelsロールアウトで特定のビット深度に強制されます。たとえば、Colorチャンネルがfloat32[3]に設定されると、Magma Outputもまた自動的に同じフォーマットで設定されます。
Magma Debuggerにオプションがつき、変数の浮動小数点精度が8、12、16桁であるチャンネルデータを表示するようになりました。
InputTexmapノードコントロールがCommand Panel内に表示されるようになりました。
Phoenix FDがInputParticlesノード用の有効なソースになりました。
PRT Volume Deformation Velocities (PRTボリューム変形速度)
PRT Volumeオブジェクトは、トポロジーがフレーム間で一定であると仮定しながら、ソースのメッシュ変形から速度データを生成するようになりました。これまでは、この機能はAutodesk社Maya用のKrakatoa MYで使用可能でした。結果として、PRT Volumeパーティクルはモーションブラーをサポートせず、またはStokeでのシミュレーションでVelocity Fieldソースとして直接使用することができます。
Velocityの計算は、パフォーマンス向上のために無効化することができますが、そのオプションはUser Interfaceには表示されず、MAXScriptだけに表示されます。プロパティを以下のように設定すると、この機能を無効化できます。
$.DisableVertexVelocity=False
PRT Loader And File Sequences (PRT Loaderとファイルシーケンス)
Windows ClipboardからPRT Loaderのリストにファイル名を貼り付けるとき、周辺のクオーテーションマーク[“]は取り除かれます。[SHIFT] + 右クリックし、Windows ExplorerのCopy As Pathオプションを使ってPRTファイルのパスをコピーし、PRT Loaderに直接貼り付けます。
Krakatoa PRT LoaderのFile Sequence ManagerはFrostのファイルリストを管理するために再利用されます。Frostの最新バージョンでは、PRT Loaderを選択して、Modifier Stackを固定し、それからFrostオブジェクトを選択してFile Sequence Managerを開くとうまくできます。ここで選択されているオブジェクトはFrostオブジェクトでありPRT Loaderではないので、ManagerはFrostオブジェクトを使用します。Frostの将来的なバージョンでは、File Sequence Managerはコンポーネントとして含まれるかもしれません。
Krakatoa Schematic Flow (Krakatoaの概略フロー)
Krakatoa Schematic Flowは、PRT SurfaceやPRT FieldやStokeを含むKrakatoaに追加された新しいソースへのサポートを強化しています。
Major Bug Fixes (主要な不具合の修正)
長年の悩みの種であった、MAXScript Macro Recorderの機能に影響を与えるKrakatoa MXのインストール時の問題が、Autodesk社のご協力のおかげで、ついに解決しました。
間違った時間計算が原因の大きな不具合が、パーティクルを保存するときにBox #2オペレータに含まれるParticle Flowシミュレーションの失敗を引き起こしていました。これが修正されました。
Krakatoaの前バージョンでは、IntegerデータがあるAgeチャンネルを含むPRTファイルや、Floating Point秒を含むBINファイルを読み込もうとするとエラーを引き起こしていました。このページで前述のとおり、Floating Pointタイムチャンネルに切り換えたおかげで、この問題はもう存在しません。
パーティクルデータファイルを保存するためのMAXScriptメソッドが、CSVファイルを正しく閉じていませんでした(PRTファイルは、バイナリの性質上影響を受けていませんでした)。この問題が修正されました。File Sequence Managerを使用しているときの、破損したCSVファイルの扱い方も改善され、そのようなファイルからデータにアクセスしようとして失敗したときに、あらゆるエラーが投げられていましたが、今は率直に扱われるようになりました。
Krakatoa Camera Modifierは常に360度までFOVが可能でしたが、パーティクルはZ深度の値が原因で、180度以降は制限されていました。これが修正されましたが、結果はまだ完璧ではないかもしれません。
Initial Depth Mapsが任意のサイズに対応しておらず、最近のビルドではあらゆるライトのAttenuation Buffersのサイズに影響されていました。この問題が修正されました。
標準の3ds MaxライトをVRayShadowMapシャドージェネレーターに設定するとき、Krakatoaはもうクラッシュしなくなりました。
PRT Loader Playback Graphの不具合が、間違った補間を引き起こすケースがありました。
Minor Bug Fixes (マイナーな不具合の修正)
FaceNormalチャンネルがサポートされていましたが、可能なチャンネルのFaceQueryオペレータのリストに載っていませんでした。滑らかな法線を作るNormalチャンネルとは逆に、滑らかではない法線ができます。
Curve Editorは、エディターがまだ開いているときに、対応するMagmaノードが削除されると、MAXScriptエラーを引き起こしていました。これが修正されました。
Repository におけるSMTDスクリプトの位置を変更したことが原因で、Deadline 6の検出が作動していませんでした。これが修正されました。
PRT Surfaceに使用された空のメッシュが、Deadlineでのネットワークレンダリングの際のエラーの原因になっていました。これが修正されました。